
大学受験では、どうしても「どの大学に合格できるか」に目が向きます。
もちろん、志望大学への合格は大切な目標です。でも、私たちはもう一つ、大切にしていることがあります。
「その大学で、何を学びたいのか」
大学に合格することがゴールではありません。入学後、自分が興味を持ったことを学び、充実した大学生活を送ってほしい。そのために、クエストでは大学選びの段階から、塾生たちとじっくり話をしています。
大学名だけでなく、学ぶ内容まで調べる
同じ名前の学部・学科でも、大学によって学べる内容やカリキュラムは異なります。
例えば経済学部。経済学と経営学、商学はどう違うのか。数学や統計学をどの程度使うのか。
また、1年生から専門科目を学べる大学もあれば、一般教養を中心に学び、学年が進んでから専門科目が増える大学もあります。
どちらがよいという話ではありません。大切なのは、本人が学びたいことと、その大学で実際に学べることが合っているかです。
「数学が得意だから理系」「数学が苦手だから文系」という選び方も、一度立ち止まって考えてほしいと思います。
得意・不得意だけで進路を決めるのではなく、学びたいことから必要な準備を考える。その順番を大切にしたいのです。
高校1年生から始まる進路についての対話
クエストでは、高校3年生になってから進路を考え始めるわけではありません。
普段から塾生が来るたびに、短い時間でも一人ひとりと話をしています。また、学期の終わりには、1時間以上かけて面談をすることも珍しくありません。
学習状況を振り返り、長期休暇に何を優先するかを確認するとともに、興味のある学問や大学、将来やってみたいことについても話し合います。
気になる大学が見つかれば、大学のホームページを一緒に開き、学部・学科の内容やカリキュラムを調べます。
もちろん、高校1年生で将来の職業まで決まっている必要はありません。大学で学ぶうちに興味が変わることもあるでしょう。
大切なのは、今の自分が何に興味を持ち、何を学んでみたいのかを、少しずつ考え、言葉にしていくことです。
志望理由書は、自分自身を見つめ直す機会
推薦入試では、志望理由書や面接が求められることがあります。クエストでも、その準備にはかなりの時間をかけています。
まずは、本人の興味や経験を振り返り、なぜその大学・学部で学びたいのかを一緒に整理します。
「どうしてその分野に興味を持ったの?」
「それを学んで、どんなことをしてみたい?」
「ほかの大学ではなく、ここを選んだ理由は?」
そんな対話を何度も重ねていきます。
ここで大切にしているのは、私たちが答えを用意しないことです。
大人やAIが、その子を別の色に染めるのではなく、もともと持っている色を引き出す。
最初は自分の考えをうまく言葉にできなかった子が、対話を重ねるうちに、今度は指定文字数に収めるために文章を削らなければならなくなることもあります。
何度も書き直し、自分の言葉にしていく
志望理由書の作成・添削には、オンラインで共有できるファイルを活用しています。
以前は紙に書いた文章を添削し、返却して、また書き直すという作業を繰り返していました。
現在は、塾にいない時間でも文章の作成や添削を進められるため、やり取りがずいぶんスムーズになりました。
塾生たちからも、すきま時間に少しずつ取り組めるので便利だという声が聞かれます。中には、電車での移動中に書き進めている子もいるようです。
こうして時間を有効に使いながら、何度も推敲を重ねて仕上げていきます。
ただし、文章を書く技術だけでは十分ではありません。
書き方を知っていても、伝えたい中身がなければ、自分の言葉にはなりません。
だからこそ、高校1・2年生のうちから本を読んだり、文章を読んで自分の意見を書いてみたりすることも大切にしています。
推薦入試を受けない子にも必要なこと
進路について考えることは、推薦入試を受ける子だけに必要なわけではありません。
一般選抜で受験する子にとっても、自分が何のために勉強しているのかを考えることは大切です。
受験勉強では、成績が思うように伸びないときも、苦手な科目に向き合わなければならないときもあります。
そんなとき、なぜその大学に行きたいのか、そこで何を学びたいのかがはっきりしていれば、踏ん張る理由になります。
また、目的が決まれば、限られた時間の中で何を優先して勉強するべきかも見えてきます。
進路を決めるのは本人。私たちは、その水先案内人に。
私たちは、塾生の代わりに進路を決めることはできません。
何を学びたいのか、どこへ進みたいのか。それを決めるのは、あくまでも本人です。
ただし、希望を聞いているだけでよいとも思っていません。
必要な情報が足りなければ、一緒に調べる。見落としていることがあれば伝える。目標達成に必要な勉強があれば、苦手な科目でも取り組むように助言する。
目的は本人が決める。でも、そこへ向かうための助言には、指導者として責任を持つ。
私たちは、そんな水先案内人でありたいと考えています。
大学に合格することだけを目標にするのではなく、その先で本人が学びたいことを学べるように。
そのための対話と準備を、これからも一人ひとりと積み重ねていきます。