春期講習会が終わり、今日から2021年度が始まりました。
新しい学年になる時には、気持ちのリセットがしやすいのか、みなさんとっても真剣なまなざしで学習に取り組んでいました。
小学生には今日、中学生には春期講習最終日に「新年度ガイダンス」を行いました。
(高校生は「新高1 kick off meeting」「新高2・3 パワーアップセミナー」を3月に実施済みです)
小学生には
・学校の授業を大切にしよう
・家での勉強も学校や塾でやるのと同じ気持ちでやろう
・間違いは恐れなくていいよ
・最後まであきらめずにやり抜こう
中学生には
・大人の自分を作るのは今の自分
今のうちにタネをまいて育てよう
・中1-自分のことは自分でやろう
・中2・3-自分のことだけでなく家庭での自分の仕事を1つ増やそう
・今年一年の「私のミッション」を決めよう
といったことなことを中心にお話ししました。
さて、世の中は「コロナ関連の話」で盛りだくさんなので、まだ大きく取り上げられていませんが、
実は、教育業界では去年から大きな変革が起こっています。
小学校の教科書は去年から改定されました。
そして、中学校の教科書がこの春から改定となります。
どの教科においても
・資料の読み取り(地理の問題のような)
・知識や技能をどう組み合わせ、アレンジする
・自分のことばで表現する
といったテーマに基づいて編集されています。
従来の「覚える」「反復練習をしてできるようになる」という内容以外が問われています。
それに伴い、公立高校の入試問題も10年前とはだいぶ様変わりしてきました。
まずは……
しっかり学び、それらの知識を自分の中で「手ごたえと正答率」が高まるように学習する
それができたら、学んだことを組み合わせて、いろいろな問題に対処する
という流れの中で成長していくことが要求されているように感じます。
中学生については、高校内容がいくつか中学に移動したりもしています。
全体的に「レベルが上がった」と進学塾クエストでは考えています。
中でも「英語」は、私の33年の塾講師生活の中でも、最も「ボリューム」があるように感じます。
下の画像をごらんください。
文理『中学必修テキスト』東京書籍(NEW HORIZON)版 より
上が現中2・3生が1年のときに使っていたテキスト
下が1年生がこれから使うテキストです。
中1の「最初の単元」なのに
・単語数がとにかく多い
・いきなりこのレベル?というものもある
(今までならoften aboutなどはもっと後に出てきます)
Unit1の1 の基本例文
・I am ~. と I like ~.
Unit1-2
・You are ~ . /Are you ~ ? と
Do you ~ ?/I do not ~ .
ここまででも「えっ?いきなり?」と感じる方もいることでしょう。
そして…
Unit1-3(まだスタートから3つめの単元)では
・I can ~ . I cannot ~ . Can you~ ?
が出てきます。
旧教科書では「Unit10-1」で習う文です。
中2生が2ヶ月前にならっていたことを中1生は4月中に習います。
でも、小学校でしっかりマスターしてきた子にとっては
「ふう~ん。知ってるよ」
という感じかもしれません。
なぜなら小学校の教科書ですでに学習しているからです。
お子さんの英語の教科書をぜひごらんください。
私が調べた限りでは、中1用の教科書の最初の3レッスンは
小学校で習った内容の復習となっています。
「じゃあ、だいじょうぶじゃない?」となるのですが、
実際に子どもたちに学校で行ったテストややった内容を尋ねると、
どこまで突き詰めて学ばせているのかは、学校・先生によって差があるようです。
また、中学校の先生が、小学校でどこまで定着させているのか、
完全に理解しているかどうかはわからない場合が多いのです。
そうすると、中学校の先生が今までのレベルでテストを作った場合、
小学校時代に「何となく」やっていた子にとっては、
中1最初の中間テストはとんでもなく難しいものになってしまうことが考えられます。
小学校時代に「書く練習」をしていたかどうかで
確実に「差」がでてしまうのではないかと、とても心配です。
中学で習う単語数にも変化が起きています。
★中学3年終了までに出てくる単語数
旧教科書-約1200語
新教科書-約2400~2500語
これだけ増えています。
もちろん、習った単語をすべて書けるようにしなければならないというものでもなく、
・書けるようにしなければならない単語
・とりあえずは見て意味がわかればいい単語
という分け方もされますので、全部書けなくてもいいとされています。
でも、少なくとも今までの中1生と比べて、「とっても大変」となることは間違いないと考えています。
今までであれば「英語は中1になってから」でも通用しました。
でも、お子さんの負担を少しでも減らしてあげたいのであれば、
「中学までに英語にたくさん触れる(学校以外で)」
ということが必要になってきそうです。
なお、この件に関してはYahoo!ニュースさんにも詳しく書かれていますので、ぜひご一読ください。