2月20日、私の塾人史上初の「2月で入試完全終了」という衝撃の出来事が起こりました。16期生からの「サプライズ」のおかげで、練りに練っておいた「直前講習」のメニューもすべて不要となり、完全に肩すかしをくらった感じでした。それと同時に「こりゃ3月はチョーゆっくりさせてもらえるぞ~\(^_^)/」とほくそ笑んでいました。そんなぬか喜びも、2月27日夕方の突然の「休校宣言」によって一気に吹き飛びました。翌朝、近隣の小・中学校の教頭先生にお電話したところ「私たちもどうなるか、見当もつきません」とのお話し。そこで、「どうすれば休校期間の子どもたちの学習を止めずにすむのか」を考えました。ウイングネットさん・SRJさんには「家での受講を可能にしてもらえないか」というお願いもしました(早々に家庭での受講ができるようにしてくださいました)。条件が整ったので、28日中には「基本的には3/2(月)から家庭にて学習をしていただく(通信環境などが整っていない場合には塾で学習)」という方針に決めました。それと併行して、以前使ったことがあったWEB会議システム『zoom』の使い方を業者さんに教えてもらいつつ、30台のiPadに遠隔でインストールしてもらいました。こうして、夕方までには家庭での学習用機材のセットが終わりました。29日は翌週から使う教材・各種ご案内文の作成と機材貸し出しのための段取りを確認し、ようやく終わったのは23時近くでした。まさに「ギリギリセーフ」。たった3人でよくできたなぁと思います。
3/2からは小・中学生は家庭での学習、高校生は昼間に分散登塾がスタートしました。小学生のみなさんについては、やはり「元気な顔が見たい(*^_^*)」ということで、家庭訪問をしました。提出された課題には「一生懸命考えてくれたんだな~」という跡がしっかり残っていたので、とても嬉しかったです。その後は状況に応じて、小学生は席を離して通常どおりの授業。中高生については段階を追って全員が家庭での学習ということにしました。遠隔指導をしていて最も困ったのは「どんな目つきで映像授業を受講しているのか」「どんなペースで解答を書いているのか」という、通常の授業なら普通に見ることができる「お子さんの様子」を観察することができなかったことです。その意味では「授業再現率は80%くらい」といった感じで、心から申し訳ないと思っていました。今後、休講になるようであれば、同じような体制でいくことになると考えています。その際には、さらにいい状態で実施できるよう、目下、改良を進めています。
保護者のみなさまの職場やご家庭でも、毎日めまぐるしく変わる情勢への対応でご苦労されていたのではないでしょうか。でも、大人たちがギリギリの中で最善の策を考えている姿をお子さんたちはしっかりと見ていたと思います。前出の学校の先生方も「今は『できること』をやっていくだけです」とおっしゃっていました。教員をしている教え子に聞いてみても、「朝出た指示が夕方には変わる」ということが頻繁に起こっていたとのことです。こういう場合に必要となるのは「状況を俯瞰する」ことと「とりあえずは決めて、動く!」という姿勢です。よく、「あの人は決断が早い」と言ったりします。私もどちらかというと物を買うとき、食事に行っても「パッ!」と決める方です(初めてのバンジージャンプもすぐに飛びました)。そのためには「前もって情報を集め、広い視野から眺めて、あれこれ考えておくこと」が大切だと感じています。速解力講座の導入・ベーシックウイングを軸にした指導方針の転換・このコロナ禍における指導体制の決定・遠隔指導などについても、何年もの間、ずっとアンテナを張り巡らしてきたから決めることが可能だっただけです。予備知識が何もない状態であれば、まさに「何も決められない」「動けない」で終わっていたことでしょう。
これから大人になっていく人たちには、「暗記的な学力」はもとより、「情報を集め、それを組み合わせて『編集』していく能力」が大いに求められます。中等教育学校の適性検査・太高などトップ校の総合問題・大学入試共通テストなどを見ていると、社会に出るときから「逆算」して、子どもの頃から「情報をしっかり集め」、「それが正しいのか」を「自分で迅速に判断」できる人になるための「知識と教養」を身につけなさいというメッセージが伝わってきます。学校・塾が重要な役割を果たすことは当然ですが、最も重要なのは、ご家庭です。面談の中で、「親はニュースを見るけれど、子どもはスマホやYoutube」というケースもかなりありました。せめて週に1度くらいは家族全員でニュースを見て、「これはどういうこと?」「なぜこうなる?」と話をする時間がとっていただけるといいのではと感じています。
3月からコロコロ変わったクエストの授業体制で、特に中高生のご家庭には大変ご迷惑をおかけしたこととと思います。当初は「何が何でも学習が止まってはいけない!」という思いで、「授業をいかに回すか」にすべてを注ぎました。でも、2週間だったはずの休講が3月末……あっという間に5月末までとなりました。そこで考え始めたのは「学習以前に、子どもたちの生活習慣を通常に戻す」ということです。「90日も学校に行かない」ことの最大の弊害は「生活が乱れる子」が出てくることです。実際に何人ものお母さんやお子さんから「朝起きるのが遅い(早く起きても二度寝している?)」というお話しを聞きました。そこで第二弾のシフト「クエスト学校」を始動しました。
何となくゆるんでしまった生活リズムを引き締めていくために、【朝8:50から朝礼(高校部は9:30)、その後50分×3コマの学習をして終礼】という流れで進めました。せめて学校が午前中に動き出すまでは、私たちが子どもたちのペースメーカーになってあげなければと思っていました。学習状況は『管理者サイト』で常にモニタリングをし、中学生の質問事項はすぐにzoomで指導。高校生は午後の終了報告の際にチューターの先生に直接質問したり、先生方からの「鋭い質問」で弱点を見つけたりしていました。とにかく「ただ映像を見て勉強しているだけ」にならないことを最大のミッションとして指導しました。小学生はずっと家に閉じ込められて、最も大切な「お友達との会話」ができない状況でした。残念なことに「全員来ても三密ではなかった(カナシイ~!みんな来てくださ~い(泣))」ので、通常通りの時間割で進めました。
こんな調子で進んでいるので、授業進度は「いつもの年と同じ」です。中1・2生は、すでに「中間テスト」までの学習はひと通り終わりました。今は確認テストをして弱点の洗い出しをしています。高1生は何と「高1の半分までの学習」を終え、GWは「3月・4月までの総復習をしよう!」という作戦で過ごしました(高2も同様)。手ごたえを聞いてみると「だいたい7~8割の正答率ですかねぇ」と言っていたので、とてもいい感じです。そして受験生は「こんなペースで進んじゃっていいのかよ!これじゃ9月から入試対策?」という怒濤の勢いで快進撃をしています。特に高3生のみなさんは、GW中もベーシックウイングをフル稼働させて、「これじゃ、夏期講習じゃん(笑)」という勢いで学習を進めていました。スタッフ全員で「自分たちの高3の今の時期、こんなにやってなかったよね。みんなスゴいね~!」と感心しまくりです。「Team QUEST」マジでカッコイイです!
話は変わりますが、連休直前には「オンライン保護者会」を行いました。本来ならお子さんの席に座っていただいて「場の空気を感じながら」話を進めたいのが希望です。でも、それも叶わない……連休明けでもいいかなと思ったのですが、やはり「今お伝えしなければ意味がない!」と思い、ほぼぶっつけ本番で臨みました。直前の一週間は9:00~24:00過ぎまでの「超ブラック勤務(私だけ)」で準備を進めました。そして、「この流れをクエストだけで留めておくのはもったいない。このやり方を誰かに共有しないと」ということで、数名の先生方といつもお世話様になっている業者のみなさまにもにご参加いただきました。
会の終了後は23時近く(日によっては24時近く)まで、いろいろと意見交換をし、今後の展開をみんなで考え、共有しました。日によっては「札幌-群馬-山梨-鹿児島」と日本を縦断して「オンライン座談会」となることもありました。このところ「オンライン勉強会」が多数行われていますが、会場に行けない分、タイミングが合えば参加し、いろいろと学んでいる最中です。さらにいい環境をみなさまにご提供できるよう、今以上に必死で取り組んでいきます!!ご安心ください。